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Feature

Domestic

国内営業基盤の拡充

2020年東京五輪に向けた建設需要、
日本の「交通軸」となる鉄道整備が過熱

2020年東京五輪を見据えたインフラ整備

2020年の東京五輪に向けた競技会場の建設プロジェクトが進む一方で、同大会を見据えた交通インフラ整備が本格化しています。東京都心と羽田空港を結ぶ新線開設計画のほか、五輪開幕に合わせて山手線・京浜東北線の品川̶田町駅間での開業を目指す新駅計画が進行中。また、2020年ごろの完成を目指す東京外郭環状道路 (外環道)、そして各高速道路をつなぐ首都圏中央連絡自動車道(圏央道)など、首都圏の輸送効率向上のカギとなる3環状道路の整備計画も進められています。

東京五輪関連工事の現場(臨海部)

30年来の無電柱化事業が加速

現在、日本各地で景観向上、災害対策、交通安全の観点から「無電柱化事業」が進められています。実は、政府が無電柱化の一般的な手法である電線地中化に取り組み始めたのは1986年と、意外と古い歴史を持つ事業で、 30年以上にわたり継続して行われています。しかし、西欧やアジアの主要都市では無電柱化が概成しているのに対して、日本の無電柱化率は東京23区で8%、大阪市で6%と大きく立ち遅れています。
そこで、2016年12月に施行されたのが「無電柱化の推進に関する法律」です。2020年東京五輪を視野に入れ、新たな国の無電柱化推進計画が進められることになり、その整備事業が各地で活発化しています。

欧米やアジアの主要都市と日本の無電柱化の現状
出所:国土交通省「無電柱化の推進(データ集)」を基に作成

新たなルートが確定した新幹線網

整備新幹線の延伸工事が各地で進められています。北 海道新幹線は2030年度の開業を目指す新函館北斗̶札幌間が着工されているほか、九州新幹線の西九州ルート(長崎ルート)も2022年度の開業を目指して建設工事が進行しています。 北陸新幹線は2022年度開業予定の金沢̶敦賀間が着工され、鉄道トンネルとして全国で6番目に長い新北陸トンネル、全国初の新幹線・道路一体橋である九頭竜川橋梁などの工事が進められています。2046年度の開業を目指す敦賀̶新大阪間は2031年度に着工される予定です。

新たに確定した北陸新幹線の京都−新大阪間ルート

トンネル工事が本格化するリニア中央新幹線

2027年の開業を目指す「リニア中央新幹線」。その総事業費は8.3兆円から9.9兆円とも試算される巨大プロジェクトです。品川̶名古屋間285.6kmのうち、約86%にあたる246.6kmをトンネル区間が占めており、2015年12月から山梨県の南アルプストンネルで本格工事がスタートしています。
当社は2016年8月に「特機エンジニアリング部」を発足させ、同部に「トンネル課」と「水処理課」を新設し、今後増加する整備新幹線、リニア中央新幹線、各幹線道路のトンネル関連工事について、グループ企業との連携で全方位の対応ができるよう体制強化を図っています。

各地の新幹線とリニア中央新幹線のルート

高速道路や橋梁などの大規模更新をはじめ、
防災・減災に向けたインフラ整備が進行

更新時期を迎えた日本のインフラ

日本にインフラ老朽化の波が押し寄せてきています。 老朽化や劣化に起因する事故が発生するなど、インフラの維持管理・更新を適切に進めることが喫緊の課題となっているなか、高速道路各社は更新計画を進めています。NEXCO3社で約3兆円、首都高速道路、阪神高速道路を合わせて1兆円といずれも大規模な事業です。このほか、1960年代前後の高度経済成長期に集中的に整備された橋梁、河川、下水、港湾など多くのインフラは更新時期を迎えつつあり、たとえば建設後50年以上経過する道路橋の割合は2013年時点で18%ですが、2033年には67%まで上昇します。今後、インフラの維持管理・更新費は増えていき、国土交通省の所管分だけをみても現在より3〜5割増加すると予測されています。

安全維持に寄与する技術推進

こうした現状を踏まえ、政府が200兆円規模の巨額支出を打ち出した「国土強靭化」、その一環である「インフラ 長寿命化基本計画」に基づいて、すでに全国各地でインフラの整備・補修に関する公共事業計画が進められて います。
当社グループは、インフラ設備の維持補修向け商品や 技術推進による新製品の開発、NETIS*(新技術情報提供システム)登録製品の導入などを積極的に進めています。また、地盤改良用の特殊な建機を豊富にラインナップ しているうえ、グループ内の会社にも地盤改良のスペシャリストが揃っており、大深度工事や水中工事、陥没・ 沈降の万全な予防を必要とする石油コンビナートなどの工事にも寄与しています。
これら土木特殊機械の需要は、22~23ページに掲載しているようにASEAN諸国でも旺盛です。国内のみならず、海外のインフラ整備事業でも当社建機は活躍しています。

* 国土交通省「公共事業等における技術活用システム」によって蓄積され た技術情報のデータベース

首都高速道路の耐震補強工事(左)当社の橋梁点検車「橋竜」(中央・右)
高速道路の更新・修繕計画
区分 延長 事業費(億円)
東・中・西日本高速道路 大規模更新 237km 17,468
大規模修繕 1,872km 12,597
合 計 2,109km 30,064
首都高速道路 大規模更新 8km 3,775
大規模修繕 55km 2,487
合 計 63km 6,262
阪神高速道路 大規模更新 5km 1,509
大規模修繕 57km 2,176
合 計 62km 3,685

出所:高速道路各社発表の更新・修繕計画に関する資料を基に作成

建設後50年以上経過する社会資本の割合と将来の維持管理・更新費
2013 2023 2033
道路橋 18% 43% 67%
トンネル 20% 34% 50%
河川管理施設(水門等) 25% 43% 64%
下水道管きょ 2% 9% 24%
港湾岸壁 8% 32% 58%
維持管理・更新費(推計結果) 3.6兆円 4.3〜5.1兆円 4.6〜5.5兆円

出所:国土交通省資料「社会資本の現状と将来」を基に作成

本格的なICT活用、i-Constructionへの転換
によって果たされる現場の生産性革命

加速する「i-Construction」の取り組み

工事現場における調査、設計、施工から維持管理まで、その全プロセスにICT(情報通信技術)を導入することで生産性の向上を図る「i-Construction」。少子高齢化による若年就業者数の低下や熟練オペレーターの減少など、日本の建設業界が直面している深刻な労働力不足という課題に対する一つの解決策として国土交通省が推進しています。
2016年度から土木工事でICTを全面的に活用する「ICT土工」が先行して実施されていましたが、2017年度からは路盤工事にマシンコントロール(MC)を搭載した建設機械や地上型レーザースキャナーを用いた「ICT舗装工」が開始されるなど、工期短縮や省人化に向けてi-Constructionの取り組みが加速しています。

災害対策の充実にも寄与するICT

ICT活用の潮流は、先述の国土強靱化にも及んでいます。2017年8月に、この5年間で発生した大規模災害を教訓に「国土強靱化基本計画」を見直す方針が政府によって示されました。具体的には、インフラの災害復旧事業で無人運転による建設機械などの活用が増えているケースを踏まえ、ICTなどの最新技術を最大限活用できるような対策の充実を基本計画の大きな柱として据える考えです。 当社ではすでに情報化施工の専門部署の設置や、情報化施工対応の建設機械の導入やシステム運用のサポートを実施しています。また、ニュープロダクツ室では汎用建設機械の無線操縦を実現する「建設機械遠隔操縦ロボット」を開発・導入したほか、2017年10月には「IoT推進課」を新設し、昨今高まっているIoT関連技術を応用した機器の開発ニーズに対応しています。今後も一層の活発化が予想されるICT活用の建設生産システムに対応してまいります。

3DMCや3DMGを使った情報化施工(左)
建設機械の運転席に設置した双腕双脚の人型ロボットを、コックピット型コントローラで遠隔 操縦する「DOKA ROBO」(中央・右)
i-Constructionの概要
i-Constructionの概要
i-Construction推進に向けたロードマップ(ICT活用に向けた取り組み)
i-Construction推進に向けたロードマップ

出所:国土交通省資料『i-Construction 建設現場の生産性革命「前進」に向けた取り組み』から一部抜粋

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